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ベーシックインカムいいよね

BIの概念を知ったのはいつ頃だったか、数年前に外国にそんな制度があるよ、えっ毎月国からお金もらえるの?いいなぁ、くらいだったと思う。

さっき歴史を調べてびっくりしましたね。えっあなた、1500年代から存在するの?ごめんなさい大先輩でした。ほんとここ50ねんくらいで出てきたぽっと出の価値観かと思ってナメてました。ただ、出だしは生活保護に近い発想のものだったようで、BIとして確立しだしたのは18世紀末からとのこと。それでも十分すぎる歴史だけれど!

ベーシックインカムとは何か? なぜ、いま議論が盛り上がっているのか? | Business Insider Japan

 

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ベーシックインカム(BI)とは

最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策(Wikipediaより)

つまり日本で言えば、生活保護費程度のお金が働ける働けないにかかわらずすべての人に支給されるみたいなイメージ。ちなみに生活保護費って大体いくらもらえるの?という方は以下をどうぞ。都内に住んでいる一人暮らしの人なら、8万円くらいもらえるんじゃないでしょうか。8万円か…これだと平均的な生活費より低いくらいなので、家賃がなければなんとか生きていけると言った感じでしょうか。

意外ともらえる!生活保護の支給金額は1ヶ月いくらになるか計算してみた

 

メリット

BIのメリットはたくさんあると思います。一つ目は、単純に生活が救われる人は増えるんじゃないかということ。生活保護には審査があるので、本当に困っている人に手が回りきらないことがあるそうです。審査を受けるには役所に行ってたくさん書類を用意して申し込み用紙を書いて質問を受けることが必要ですが、そういったことができないくらいまで追い詰められている方、または他者の目が気になるなどの理由で生活保護など受けたくない!と思っている人は一定数います。でも、全員がもらえるものであるならばこういった方々にもお金が行きわたる可能性は高そうです。

2つ目は、搾取の撲滅です。仕事が辛いけど辞めたら明日の生活ができなくなるから今の仕事を辞められないという人たち。労働に見合わない賃金で働いている人が日本にはたくさんいると思います。そういう人たちにBIがあれば、仕事も辞めやすくなりますし、より時間をかけて、より良い転職活動ができるようになります。そうすると不当な雇用がなくなるだけではなく、企業はより適正な賃金で従業員を雇用をせざるを得ません。恐らくは退職防止のために辞めない人たちの賃金も見直されることでしょう。そうして最終的に日本国民全体の賃金がゆっくりと底上げされていく動きになると思います。


心配なこと

1つ目は財源です。一体どこから出るんでしょうか。さっぱり想像できません。これを賄える財源といえば、年金をBIに変えることでしょうか。それでもきっと全然足りません。もしBIを導入することになれば、今私たちが享受しているもののうち、かなりの社会保障を削ることにはなりそうです。

2つ目は、物価の高騰。現在給料を20万円もらっているとして、加えてBIで10万円入ってきたとき月収は30万円になりますが、果たしてそれは今までと同じ30万円でしょうか?みんなが常にこれまでプラス10万円の富を持っているということは、物価が上がる要因になると思います。これまで100円で買えていたものが200円になるくらいのことは起こりそうです。ただ、BIの考え方は生活保証なので、本来の役目を果たすのであれば、物価が上がった場合には生活を保証できるくらいには支給額を上げることになるでしょう。


実際にBIを実施している国 フィンランド

フィンランドは2年間に渡って2000人に試験的にBIを導入し、影響の調査を行いました。

「ベーシックインカム」の実験 フィンランド政府が無条件で月約7万円を配布 | ハフポスト

結果については、BIを受けた人の働く日数はわずかに多くなったものの、稼いだ額としてはわずかに少ない程度で、優位な差はみらなかったとのことでした。ただ、健康と、ストレスの多さについては有意な差が見られ、BIを受けている人の方が精神的に安定した生活が送れているという結果が出ています。これらを踏まえて、フィンランドはBIは主観的な幸福には影響があるようだという結論を出しています。

 

健康経営という考え方

基礎的な生活に心配がなくなるなら健康になり、精神も安定するのは当たり前の結果かと思いますし、国民側としてはBIを実施してほしいですね。ただ、これまで以上に熱心に働くかと言われればそうではなくなるかもしれません。私たちは日々生活のために働いています。生活の心配がないのであれば無理したくないと思うのは当然でしょう。

それでは、国側にはBIを実施するメリットはないのでしょうか。国としては支出が増えますし、国民にたくさんお金を配って更にGDPが落ちたりすれば、責任問題となるでしょう。しかし国民のメンタルが改善することや、国民の健康が増進することは国家運営に良い影響をもたらさないでしょうか?健康が良い結果をもたらすという観点でいえば、経営手法の一つに健康経営というものがあります。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

健康経営の推進(METI/経済産業省)

健康経営とは、アメリカの経営学と心理学の専門家、ロバート・H・ローゼン(Robert H. Rosen)氏が提唱した比較的新しい経営手法なのですが、従業員の健康を高めることで会社をより良く運営するという考え方です。ひと昔前、経営資源はヒト、モノ、カネと言いましたよね。会社の資産である人を健康にして、より効率良く働いてもらうことで会社の生産性を高め、更には従業員の満足度も上がるという手法です。

長い視点で考えれば、国の従業員たる国民が健康になれば、これまでより長く、効率的に働いてくれるでしょう。そして日本は世界でも上位の長寿国家です。出生率が下がり、新しい国民が生まれないのであれば、国は今いる国民に長く働いてもらうことを考えなければいけません。シニアにもガンガン稼いでもらう必要があります。もしBIが実施されて国民がどんどん健康になっていけば、これからの超高齢化社会では80代や90代、100歳まで現役を続けることが普通になっていく可能性もあります。そうなればこれまでにない強力なシニアパワーの国家が誕生するかもしれませんね。

 

まとめ

  • BIは主観的な幸福を増大させる
  • 日本にはBIを行う財源がない
  • 長い目で見ると日本には合っている施策かもしれない


以上です!おつかれさまでした!